既感染者のワクチン接種「必要性乏しい」
2009年9月25日 医療介護CBニュースより
厚生労働省は9月24日に開いた「新型インフルエンザワクチンに関する意見交換会」で、新型インフルエンザに既に感染したことが明らかな人へのワクチン接種について、「必要性は乏しい」との認識を示した。
また席上、ワクチンを2回接種する場合、優先順位が高い人から順に2回ずつ接種すべきか、それとも優先接種の対象者に1回ずつ接種してから2回目の接種をすべきかについて、意見が交わされた。
厚労省の担当者は、既感染者へのワクチン接種の必要性に関するこれまでの知見として、1950年代後半のアジア風邪流行時の状況を紹介。既感染者が第2波で再度感染した事例はあるが、「数百名中14例にすぎなかった」とした。また季節性インフルエンザでは、罹患したことが明らかな人へのワクチン接種は、同シーズンにおいては「必要性は乏しい」と考えられていると指摘。
一方、ワクチン接種の方法について、1回接種の有効性が明確でない現段階では、当面2回接種の方針で接種体制の整備を進めるとした上で、2回接種の方法として、「優先順位の高い者から2回ずつ接種する」「優先接種対象者にまず1回ずつ接種し、その後、優先順位の高い者の2回目を接種する」の2つの方法が考えられると指摘。参加者に意見を求めた。
これに対し尾身茂・自治医科大教授は、こうした「二者択一」の議論を行うことに慎重な姿勢を示し、接種方法をはっきり分けることで、現場の裁量が制限されてしまうとの懸念を訴えた。ただし、2回接種の必要度が高いことが想定される幼児への接種は優先すべきとの考えを示した。また、多屋馨子・国立感染症研究所感染症情報センター第3室長は、1回目と2回目の接種の間が空いてしまうと、2回目の接種を待っている間に感染してしまう恐れがあると指摘した。
厚労省の担当者によると、国産ワクチンの1回接種の有効性に関するデータは10月中旬に出る見通し。ただ、このデータは健康な成人のものであるため、「ハイリスクの人については、安全策を取るべきでは」と語った。


