誤解にもとづく誹謗や中傷が殺到
新型インフルエンザの患者数が減少傾向にある中で、これまでの厳しい行動制限がなくなり、だんだん日常生活が可能になっていきます。
しかし、新型インフルエンザの感染者が出た生徒らの高校がある大阪府寝屋川市などには、誤解にもとづく誹謗や中傷が殺到。関係者らは、いわれのない偏見などを危惧している。
隔離の4人と停留の48人のうち32人が、短期留学の関係者。寝屋川市によると、生徒らが帰国した8日以降、52件の電話が全国から寄せられた。府や学校にも計100件超の電話が寄せられ、多くが行政や生徒らを批判する内容だったという。
「成田から帰ってくるな」「どうしてあんな学校がカナダ留学にいくのか」といった理不尽な電話や、「なぜマスクをしなかったのか」「早く帰国させるべきだった」といった留学中の行動にも批判が寄せられた。
「謝れ」「賠償しろ」「バカヤロー」といった罵声(ばせい)を一方的に浴びせたり、生徒や教員を個人的に中傷したりする内容の電話もかかっているという。
関西大倉中高の関係者が風評被害
生徒90人以上が新型インフルエンザに感染して休校している大阪府茨木市の関西大倉中学高校の大船重幸教頭は2009年5月21日、記者会見で「25日(月曜)からの授業再開は難しい」との見方を示した。同校は23日の土曜までの休校を決めていたが、いまだに多くの生徒が療養中であることから再開は現実的ではないと判断した。
一方、職員が同校までタクシーを利用しようとした際に乗車を拒否されたり、感染していない生徒の家族が病院の診察予約をキャンセルされたりする風評被害の報告があるといい、大船教頭は「関西大倉にかかわるというだけで行動が制限されている。世間の皆さんは温かい目でみてほしい」と訴えた。
新型インフル「県内で感染者」風評出回る 不安訴える相談が殺到
2009年05月21日の山梨日日新聞からの紹介です。
いずれこういう問題が大きく報じられることがあるでしょう。どういう情報収集をするか、どこから情報を手に入れるか、何に基づいて行動するか、そのための準備は?等々、考えさせられるニュースですから、あえてここで全文を引用します。
「富士吉田市内で感染者が出たらしい」。
新型インフルエンザの感染が国内で広がる中、山梨県内でデマ情報が出回っている。保健所には不安を訴える相談が殺到していて、特定の学校名を挙げた問い合わせもあるという。県などは「正確な情報に基づき冷静に行動してほしい」と打ち消しに躍起だ。
県健康増進課によると、情報は19日ごろから同市内を中心に「まん延」。富士・東部保健所の発熱相談センターには同日に40件、20日に31件の相談があり、ほとんどが「市内で感染者が出たと聞いたが大丈夫か」との内容だった。医師から情報の真偽を確認する電話もあった。
同市にも19、20の両日に計8件の照会があった。市内の中学校が今月、修学旅行で感染者が確認されている神戸市を訪れており、特定の学校名を挙げ「生徒が感染したと聞いた」とする情報も。実際に修学旅行を実施した学校には、3件の問い合わせがあったという。
同課は「感染拡大を防止する観点から、県内発生した場合は積極的に公表する」と説明。同市の担当者は「何日もうわさが続くと市民生活にも影響が出る」と困惑していて、20日には市ホームページで正しい情報に基づいた行動を呼び掛けた。
山梨学院大の仲尾唯治教授(社会学・社会病理学)は「特定の学校や生徒の差別につながる内容だ」と指摘。「新型肺炎(SARS)など感染症が話題になると、こうした風評が出回ってきた。今回も『いつか来る』という不安に思う意識が表に出て、まことしやかに広まったのではないか」と分析している。
新型インフルエンザによる偏見と差別
新型インフルエンザは誰でもかかる可能性があります。正確な情報を収集し、パニックに陥らないよう、冷静に対応しましょう。もし新型インフルエンザに罹った場合、患者に対して偏見や差別を持たないようにしましょう。
家族が新型インフルエンザにかかった時は?
新型インフルエンザにかかった患者はできるだけ家族とは別の個室で静養するのが望ましいです。当然ながら、マスクを着用します。また、家族は手洗い、うがいを徹底し、マスクを着用します。
家族が患者の看護をする場合は、水と石鹸による手洗い、またはアルコール製剤による消毒をしっかり行いましょう。
新型インフルエンザにかかった患者が使った食器や衣類は、通常の洗剤によって消毒することができることも知っておいたらいいですね。
楽天、加盟店に「マスク買い集め」奨励
新型インフルエンザの影響で休校となっていた大阪、兵庫の学校は2009年5月25日から再開され、それに続き、京都市でも、5月26日からほとんどの小中学校で授業が再開されました。
そんな中、この状況を商売のチャンスとしてネットショッピングサイトの大手「楽天」が、加盟店に買い占めや販売を進めていることが判明しました。
感染者が爆発的に増大し、関西圏ではドラッグストアなどの店頭からマスクが姿を消した時期に楽天の西日本第一企画運営チームは、各加盟店に
「ここ何日かでマスクを売っている店舗様は、なんと日商1000万円以上売れているそうです。日商5000円以下の店舗様が600万円以上売ったとか。そんな店舗様がゴロゴロ、すごいですね」
「すごい勢いで売れていますね! 650円で仕入れたマスクが2万ちょいで売れているらしいですよ」
「昨日、600万売った店舗さんもレディースファッションの店舗様です! カテゴリーなんて関係ありません! 配送は20日先になっても構いませんので、とりあえず注文をとって、売りましょう、商売はタイミングとスピードです!」
などのメールを各加盟店に送信してたそうです。
マスクを売りさばくよう勧める楽天のメールは、加盟店の業種を問わず送られたようです。
これに対して楽天の広報室は、JNNの取材に対して、「地域によるマスクの偏りを是正するのが私たちの目的。ネット上で買えば、店で並ぶより感染拡大を防止することもできる」とした上で、その表現についても、「文面が過激だとすれば、相手がプロの加盟店だからで、特に問題はないと考えている」と答えたそうです。


