拡大する立命館大学
多様な能力持った人材集める これが国公立と違う魅力
(連載「大学崩壊」第10回/立命館大学に聞く(上))
J-CASTニュース
少子化の影響で定員割れに追い込まれる大学が続出する中、この30年ほど「膨張を続けている」と指摘されているのが立命館大学(京都市)だ。実際、この15年ほどを見ても、滋賀県や大分県に新キャンパスを設置し、付属校も増えるなど「拡大傾向」がうかがえる。
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学生数30年で1.5倍 でも「M&A」とは違う
(連載「大学崩壊」第10回/立命館大学に聞く(下))
J-CASTニュース
ロースクール、映像学部、生命科学部と薬学部――。立命館はここ数年、「膨張」の度合いが加速しているようにも見える。なぜなのか。
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立命館大学の資産運用は大丈夫!?
少子化による収入の先細りを補おうと株式運用などに乗り出す大学が増えているが、世界不況の影響を受けて、各私立大学の間で資産運用の評価損が膨らんでいるようです。
2009年3月末時点で慶應大学の評価損が535億円、上智大学の評価損が110億円程度に膨らんでいるようで、資産運用に乗り出したはいいが、かえって資産を減らしているという現状があるようです。
それを受けて立命館大学では、2009年6月5日付で、「学校法人立命館での資金運用について」と題した報告を行っています。
それによると、学校法人立命館では「運用目的でのデリバティブ取引は行っていない」としたうえで、学校法人立命館では、有価証券による資金運用にはリスクが伴うことを十分に認識し、資金の安全性を最優先として中長期的な視点での安定した資金運用収入を確保することを基本方針としていると無謀な資産運用をしていないことを強調しています。
また、現在、運用目的で保有している有価証券は、国債、政府保証債、事業債等の円建て債券のみで、2008年度末(2009年3月31日)時点での時価評価は
時価のある有価証券
貸借対照表の計上額 47,076百万円(約470億円)
時価 46,693百万円(約467億円)
差額 ▲383百万円(約4億円)
となっていますが、すべて満期保有することを基本としていますので、会計上はともかく実際の損失が生じているわけではないと発表しています。
また、保有する有価証券のうち、時価が貸借対照表計上額を著しく下回り、評価替え(損失計上)の対象となる有価証券もないと、他の私立大学の膨大な評価損とは無関係であることを改めて強調しています。
立命館大職員、親睦会費数百万円を無断着服
立命館大学は2009年6月19日、びわこ・くさつキャンパス(滋賀県草津市)の経済学部の男性職員が教員の親睦会費を着服していたと発表しました。学校法人立命館は審査委員会を設置し調査しており、着服金の返済を求め、職員の処分を決めます。
立命館大学によると、経済学部の教員約60人の給料の一部を毎月天引きで親睦会費として積み立てており、見舞金などと、教員の留学支援金の2つの口座がある。職員は2006年から通帳などを管理し、6月上旬に留学支援金口座から100万円を計3回引き出していた。金融機関から「不審な引き出しがあった」との連絡があり、職員が着服を認めた。
大学生の就職率 2008年度95.7%
2009年春に卒業した大学生の就職率(4月1日現在)は前年同期を1.2ポイント下回る95.7%だったことが厚生労働、文部科学両省の集計で分かりました。前年同期比で9年ぶりに減少。
集計によると、
大学生男子は95.9%(0.7ポイント減)
大学生女子は95.4%(1.9ポイント減)
短大生女子は94.5%(0.1ポイント減)
今年はこの数字よりも厳しくなるという予想もあり、立命館大学も学生の就職支援活動を活発化させています。
立命館大学男子学生が新型インフルエンザに感染
2009年5月20日、大津市在住の立命館大学のの男子学生(23)の新型インフルエンザへの感染が確認されました。
立命館大学の男子学生の新型インフルエンザに感染したのを受け、立命館大学は滋賀県草津市の「立命館大学びわこ・くさつキャンパス」(対象は6学部約17000人)を1週間の休校としました。
立命館大学は、クラブ活動や京都市内の別のキャンパスへの立ち入りも禁止。あわせて立命館守山中学・高校も休校にしました。
以下、立命館大学のサイトから今回の新型インフルエンザ感染者が出たことに対する処置について引用します。
立命館大学びわこ・くさつキャンパス所属学生の新型インフルエンザ感染に伴う措置について 2009年5月20日 16時現在
5月20日、本学びわこ・くさつキャンパス(BKC)学生1名の新型インフルエンザ感染が確認されました。
本学では、感染拡大防止のため、地方自治体等の要請をふまえ、下記の措置をとります。
詳細はあらためてホームページにてお知らせいたします。
1.休校について次のとおり、休校とします。
(1)休校期間:2009年5月20日(水)~5月26日(火)まで(7日間)
(2)対象となるキャンパス:立命館大学びわこ・くさつキャンパス(BKC)(滋賀県草津市)立命館守山中学校・高等学校(滋賀県守山市)
2.BKC、立命館守山中学校・高等学校の休校に関わる対応
※衣笠キャンパス、朱雀キャンパスは従前通りとします。
(1)学生・大学院生について
①BKCに所属する全学部学生および大学院生(科目等履修生など非正規の学生も含む)について、休校期間中は「自宅待機」とします。
②BKCへのキャンパス立ち入りは原則禁止とします。BKCに所属する学生は、衣笠キャンパスをはじめ、その他のキャンパスに移動することも禁止します。
③衣笠キャンパス、朱雀キャンパスの学生のBKCへの立ち入りも禁止します。
④休校期間の授業の取り扱い(補講等の対応)については、別途お知らせします。また、休校に関わるその他の情報など、状況の変化によって随時更新しますので、大学HP、メールマガジンなどに留意してください。
(2)授業以外の諸行事・活動について
①BKCにおける課外活動(サークル活動を含む)は中止・延期してください。
②BKCの学生は衣笠キャンパスでの課外活動等に参加できません。
③BKC施設を使用して行う課外講座(エクステンションセンター講座含む)など、学園が主催する行事・活動等は中止または延期とします。
④BKCでは図書館、オープンパソコンルーム、食堂等厚生施設は期間中すべて閉室(店)します。
⑤施設の貸与については原則として中止・延期を要請します。
(3)立命館守山中学校・高等学校での対応について
①生徒について、休校期間中は「自宅待機」とします。自学自習につとめてください。
②キャンパス立ち入りは原則禁止とします。課外活動もすべて禁止します。
3.インフルエンザのような症状がある場合
37.5℃以上の発熱のある方、インフルエンザ様の症状(咳、鼻水、高熱、関節痛、頭痛、下痢など)がある方は、その日は登校せずに、発熱相談センターへ電話して相談した上で、医療機関にかかってください。インフルエンザでないことが確認されるまでは登校しないで下さい。
これで神戸、大阪だけでなく、京都、滋賀圏内の大学でも休校措置が広がる可能性が出てきました。冷静な対応を心がけたいですね。
立命館大学、岐阜県で困惑する「市岐阜商問題」
立命館大学のこの15年間の歴史は拡大と系列下の歴史といってもいいでしょう。立命館の遠隔でも触れたように、
1995年:宇治学園との法人合併(前年)により立命館宇治高等学校開校
1996年:慶祥学園との法人合併により立命館大学慶祥高等学校開校
2000年 立命館アジア太平洋大学開学・立命館慶祥中学校開校
2003年 立命館宇治中学校開校
2006年 立命館小学校開校・立命館守山高等学校開校
2007年 立命館守山中学校を開校
次々と立命館大学は各高校を傘下に収め、新設学部を続々と開設してきました。その甲斐もあって、2008年5月1日現在、立命館大学の学生数は33,013人(うち女子が11,766人)となり、大学院の学生数は2,655人(うち女子711人)、留学生975人、系列の立命館アジア太平洋大学の学生数は2,557人と約4万人の学生を抱えるマンモス大学となりました。
系列の小学校・中学校・高校の在籍者数が6,513人で、これらの学生は基本的に立命館大学に進みますから、私立大学の半数が定員割れで経営が危ぶまれる中、しごく順調に経営拡大をしてきたともいえます。
入試志願者数を見ても順調そのもの。
立命館大学 2008年度学部別入試状況
法学部
募集人数:875 志願者数:9,120 合格者数:2,552 志願倍率:3.57倍
産業社会学部
募集人数:900 志願者数:10,819 合格者数:2,346 志願倍率:4.61倍
国際関係学部
募集人数: 275 志願者数:3,579 合格者数:660 志願倍率:5.42倍
政策科学部
募集人数: 360 志願者数:2,723 合格者数:790 志願倍率:3.45倍
文学部
募集人数: 1,075 志願者数:11,607 合格者数:3,176 志願倍率:3.65倍
映像学部
募集人数: 150 志願者数:2,249 合格者数:352 志願倍率:6.39倍
経済学部
募集人数: 785 志願者数:11,109 合格者数:3,556 志願倍率:3.12 倍
経営学部
募集人数: 810 志願者数:10,307 合格者数:2,589 志願倍率:3.98 倍
理工学部
募集人数: 900 志願者数:18,032 合格者数:5,617 志願倍率:3.21倍
情報理工学部
募集人数: 440 志願者数:4,931 合格者数:1,691 志願倍率:2.92倍
生命科学部
募集人数: 280 志願者数:9,298 合格者数:2,957 志願倍率:3.14倍
薬学部
募集人数: 100 志願者数:1,823 合格者数:437 志願倍率:4.17倍
合計
募集人数: 6,950 志願者数:95,597 合格者数:26,723 志願倍率:3.58倍
全国の大学入試志願者数から見ると、立命館大学の志願者数95,597人は、早稲田大学125249人、明治大学108946人、法政大学97017人に次いで、第4位。
しかし、その立命館大学に1つ暗雲が立ち込めているのです。
暗雲とは、立命館大学が進出を目指す岐阜県の話。
話は、2007年2月9日、立命館が岐阜市に宛てた提案から始まります。
学校法人立命館は、アジア太平洋地域の教育・研究拠点の形成を目指し、21世紀を担う人材育成を使命としており、岐阜市との相互協力により、人づくりを進めたいと考えております。
その第一歩として、伝統ある岐阜市立岐阜商業高校を立命館岐阜高校として新たな発展を図ることについて提案いたします。
この学校法人立命館の提案の主な内容は、
移管について
(1) 岐阜市は、市立岐阜商業高校を学校法人立命館に移管する。
(2) 移管後の名称は、立命館岐阜高校とする。
立命館岐阜高校等について
(1) 立命館岐阜高校は、21世紀の日本を展望し「ものづくり日本」のために理数系教育と国際社会時代にふさわしい国際化教育を二大特色とし、立命館大学と立命館アジア太平洋大学へ進学する、男女共学、普通科とする。
(2) 立命館岐阜高校に中学を併設し、中学・高校ともに、正課において文理融合の総合的教育を行うとともに、スポーツをはじめとする課外活動も重視し、人間力のある生徒の育成に努める。
(3) 立命館岐阜高校としての開校は、2009年度(平成21年度)をめざす。
(4) 併設する中学校の設置は、2010年度(平成22年度)をめざす。
しかし、この提案が岐阜市を揺るがす大問題に発展していったのでした。
2006年の12月に岐阜の市議会で市長が立命館から学校移管の打診があったことを発表したのですが、市議会は「事前に何の説明もなかった」と不満が噴出。
結局、この問題は市長の出直し選挙にまで発展し、2009年3月27日、岐阜市議会は「市が新年度予算に盛り込んだ移管計画を進める事務費(97万円)を削る修正案」を賛成多数で可決し、「市立岐阜商業の廃止方針の撤回を求める決議」も可決したのでした。
これによって立命館の市立岐阜商業の移管は極めて厳しい状況になりました。立命館は、2008年度内に市議会が移管推進に同意することを移管の条件としているため、また、立命館常務理事が「教育機関なので、大半の人が歓迎してくれる中で岐阜市へ行きたい」「地元に受け入れてもらえる雰囲気がないと難しい」と述べていることから、おそらく今回の移管計画を取り下げることになるでしょう。
いずれにしても今回の市立岐阜商業へに立命館移管は困難な状況になりましたが、前述の立命館の常務理事が「東海地域のものづくりを支え、国際性豊かな人材をはぐくむ教育」を目指しているだけに大きな時間を経ずして次なる進出が展開されると予想されます。
立命館大学、学生取りすぎで転籍希望を募る
立命館大学は、2008年度入試において、2008年に開設した生命科学部で定員280人の1.48倍にあたる415人が入学手続きをしたため、他学部への転籍を25人募ったことを明らかにしました。
これは学部に定員の1.4倍以上在籍していると国からの補助金が出ないための措置ではないかという疑惑が出ています。というのも、立命館が「他学部への転籍を25人募った」のは、25人が転籍すれば、1.4倍を下回る計算がなりたつため。
ただ、転籍に応じたのは8人で、1.4倍は下回らなかった模様です。
この問題の管轄である文部科学省は「転籍先の学部を不合格となった受験生もいたわけで、入学直後に転籍させるのは入試の公正性からも良いとは言えない」とし、立命館大から事情を聴き、補助金目当てだった場合に違法性がないかどうかを検討するという。
立命館大学によると、びわこ・くさつキャンパス(滋賀県草津市)にできた生命科学部には一般入試で9298人が志願し、2957人を合格とし、うつ入学手続きをした学生は、推薦やAO入試も含め415人に達した。新設学部で過去のデータがなく、読みを誤ったという。
このため、学生へのガイダンスで生命科学部の新入生に転籍の話を伝え、受け付け。薬学部に3人、法学部に2人、経済、経営、理工の各学部に1人ずつ計8人が転籍を希望し、面接を経て全員が認められ、すでに転籍先で授業を受けている。
結果として、立命館大学は文部科学省により「適切性を欠く」と判断され、補助金およそ15億円が減額されることになりました。 減額されるのは大学が受ける補助金全体の25%になる見込みです。
立命館大学のHPサイトでは、「本学の経常費補助金推移」と題して、以下のような記述があります。
立命館大学の私立大学等経常費補助金は、2006年度に学園史上最高の52.5億円(一般補助:29.4億円、特別補助:23.1億円)を獲得しました。
「一般補助の停滞・減額と特別補助の漸増」という厳しい補助金動向にあって、本学の特色や個性を発揮する教学創造・改革などを反映したものです。
また、立命館アジア太平洋大学の経常費補助金は8.0億円(一般補助:4.1億円、特別補助:3.9億円)となっています。
「獲得しました!」この言葉に立命館の補助金に対する姿勢が表れているように思います。
もっと取ってこい!そんな掛け声が学長からかかり、学長室にはどこかの営業所みたいに「補助金獲得金額」の棒グラフが貼られているんでしょうかねねえ。